一番苦手だった科目です。
最近になって、よく解らなかった理由だけは判明 ー
病因が分かっていないものが多い。
以前、将来子供を持ちたいという理由から、無月経症の同業者が30歳で自然治療を開始。
生理の止まった10年前、3人の専門医から受けた診断は「松果体異常によるエストロゲン不足」。
(珍しい診断かと思いきや、その後2人目の患者さんに遭遇)
無月経が始まる直前、アフリカを旅行して、それ以来消化器系の調子がずっと良くない。
中医学の一般常識から、腎臓滋養の鍼治療と錠剤の漢方処方を受けていたものの、
特に改善の兆しはなく。
たまたまマッサージを頼まれた時にみたその脚が、
脾(消化器系)温機能の不全で、水分代謝に支障をきたしている典型の、
血管が透けてみえるぶよぶよのふくらはぎ。
切迫流産によくあるタイプ。
このタイプを治療する漢方はアルコール抽出で処方されていて、
当時の勤め先にはなかったので、
この処方を多嚢胞性卵巣症候群用に自家配合・抽出する
メルボルンでは有名な婦人科専門漢方医に行くように勧める。
(ちなみに、内服剤の勝負は胃腸で、入り口でうまく分解・吸収されないと、
診断と処方が合っていても意味がない、
ということで、生薬、丸薬、顆粒、アルコール抽出と、
各処方最適の形がある)
辛抱強く2ヶ月待ちの予約を取り、そこからさらに、
その漢方医の紹介する婦人科医にかかったところ、
診断は「多嚢胞性卵巣症候群」。
そこからの彼女の努力はえらかった。
エストロゲンのために飲んでいた、冷却作用のある豆乳から
ニュートラルな米乳(まずいです)に切り替え
苦い漢方を1年半ほど地道に続け(治療に来ていたお姉さん談)
とうとう月経を取り戻し、
体外受精で見事妊娠。無事出産。
そして、何年ぶりかで3日前に連絡したところ、
「奇跡!!ホルモン治療なし、体外受精なしで現在産休中」の返信。
!!!
感慨深ーく、しばしぼんやり。
松果体異常によるエストロゲン不足、という診断がもたらした、空白の無治療10年間。
多嚢胞性卵巣症候群の典型に当てはまらない、スポーツ好きのやせ形体型が
3人の専門家を、この診断に導くに至ったか。
そもそもこの話は、奇跡オチの付く数日前に、
友人であるナチュロパスの、そのまた友人の患者さんが
内分泌系の疾患診断を受けた、という話をきいて久々に思い出した。
友人の住むタスマニア ー メルボルンスカイプ会談(?)中、
ふたりで内分泌科の資料をひっくり返し、
世間話をしながら更にひっくり返し、
至った結論が
「内分泌系疾患は、いまだに原因不明なものが多いんだネ....」
この疾患は副腎がらみで、治療選択は、
1)片方だけに組織異常が見つかれば摘出。
2)両方に異常があれば薬物治療。(多分両摘はできないから)
原因は、
1)副腎の異常から
2)ホルモンの過剰分泌に因る副腎の異常
そして治療法が、
2)で摘出せず、薬物治療でもよしとするなら、
1)で摘出する理由もない。
原因も
1)が 2)に帰するのに、
2)の原因は不明→「異常部を摘出」。
=「治療」につながる理論的証明がない。
例の無月経症も、エストロゲンの血中値不足から出した判断だろうけども、
あれだけ長いホルモン連鎖の過程のステップの中で、
どうやって3人が3人とも、松果体の異常と断定したのか。
(10年前に嚢ができてなかった可能性はあるけど、それでも松果体異常は、
いくつかあるうちのひとつの可能性だとおもう)
シュレティンガーの猫〜。
よろしければ、ひとぽち。