さっき自転車で買物に出かけたら、ポッサムの死体が電線にぶら下がっていた。
(ポッサムはメガネザルのような顔をしたおっきいリスみたいで、公園や裏庭に棲んでいる)
そういえば3日ほど前の晩、サッカーを観ていたら誰かが窓を叩いた。
「えー!?」と思ってカーテンを開けたらIDを窓に押し付けるように見せながら
ドアを開けろという。
「ひゃ~」さすがに12時を過ぎて知らない人にドアを開けるのはなあ。
わるいなあと思いつつシャワーに入りかけてた相棒に知らせたら
ぱっぱっと服を着て外に出て様子をみてくれた。
「バスがないから$10くれ」「お腹もすいてるからやっぱり$30ちょうだい」
とか言ってるのが聞こえる。
こういう場合、お金をあげれば手っ取り早いが、
ここのうちならお金をくれる、と次からも来るようになると困る。
「お金はあげない。その代わり送っていくよ」と相棒はさっさと車の鍵をもって出て行った。
なんでもここから車で5分程先に帰るところらしい。
送りに出たっきり帰りが遅いのでちょっと心配になって出てみると
ちょうど車が帰ってきた。
「ヤク中じゃなくて、ちょっと知的障害があるみたい。
なんでもうちの2Km手前の警察署で送ってくれと頼んだけど
断られて帰路をとぼとぼ歩いてたんだって。
『叩いた窓がうちだったからよかったけど、ほかの家なら面倒なことになってたかも
しれないから、これからはこういうことはやめた方がいいよ』と言っといた」
それから、この警察の対応にはがっかりだよ、と相棒は苦情の電話をかけた。
(もちろん、警察はサッカー観るのに忙しくてそんなことに耳は貸さなかったけど)
たまたま薬物リハビリに長く勤める相棒がいたから
こういう円満な結末になったかもしれないけど、
それでもここ(オーストラリア)だとこういう人でも普通(?)に社会にいられるのがいい。
私もひとり「うーん、知的障害だろ」という人を診てるけど、
彼もぼちぼち仕事を見つけては、友達もいるようで、一人暮らしをしている。
いつか金城武が「日本(の映画業界)はシステムがしっかりしていて、
これ以上わるくなることもないけど、よくなることもない。
香港のシステムは、これ以上わるくなるかもしれないけど、よくなる可能性もある」
といっていたのを読んだことがある。
オーストラリアでも日本の常識ではありえない公共のシステムとかマナーとか
(ポッサムの死体が電線からぶら下がってたりとか)たくさんあるけど、
そのぶんいい方にもわるい方にも振りが大きくて、画一的でないところがおもしろいです。
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