ここそこ

aquinoaqui.exblog.jp
ブログトップ

ジェーン・エリオットを知っていますか

ジェーン・オースティンじゃなくて、

ジェーン・グドールじゃなくて、

ジェーン・エリオット。アメリカの差別反対活動家です。

60年代に小学校の教師をしていたエリオットは、M.L.キング牧師暗殺のニュースを聞いた

翌日、「1日だけのごっこをやってみる?」とこどもたちの同意を得た上で

クラスを2つに分け、実験的に片方を「特権階級」もう片方を「劣等組」としました。


a0145396_22293561.jpg

初日は茶色い目(暗色の目)をした子どもたちに、

簡単に切っただけの布を襟のようにピンで留めてから

クラス全員に「この茶色い目のグループは馬鹿で汚いから

給食のコップも同じものを使ってはいけません。」と言っておきます。


こどもは、はじめからごっことわかっていたにもかかわらず、

クラスは決裂し、襟をつけられた子は自信をなくし、

普段は成績のよい子も簡単な質問に答えられなくなります。

放課後、「劣等組」の子どもはホームルームを開き、

今日一日の感想を述べ、差別をされるのがどんなに悲しく、辛いことかを

みんで話し合ってから、忌まわしい襟から開放されます。


翌日は反対に青い目(明色の目)をしたこどもが襟をつける番。

立場が変わっただけで、きのうと全くおんなじ現象が起こります。

いつもは明るい子も一日口をきかずにじっと座るだけで、

仲良しだった友達ともケンかを始める始末。

両日とも子どもたちに画を描かせますが、

特権階級の子どもはのびのびした明るい絵を描くのに対し、

劣等組はみな暗い色、普段は使わない黒や灰色を画面いっぱいに使うような絵を描きます。


翌日、白人が人口を占めるこの地域で経営するエリオットの両親のサンドイッチ店では、

2つを売ったのを最後に、閉店に追い込まれます。


ある時この「エクササイズ」と呼ばれるごっこが話題になり、TVで取りあげられますが、

教室での様子を放映した途端、局の電話はパンク状態になります。

抗議の内容は、「こんなことを、白人の子どもにするなんてむごい」



このごっこは、様々な批判を浴びながら、

現在では白人人口を中心とした大人を対象に

企業や地域教育の一環として行われています。

教師から活動家へ転身した後のエリオットのエクササイズは「Blue eyes/Brown eyes」

とよばれ、記録され続ける映像は教材として広く使われています。
a0145396_22291860.gif

たまにTVで観るこの「ごっこ」の熾烈極まりないこと。

最初は斜に構えた青い目の参加者も、一生のトラウマになるような体験をします。

たった3時間ほどの言語による差別にもかかわらず、大の大人がベソをかきながら

抗議し続けますが、最後には「差別されるということ」とは

「抗議が徒労に終わること」を学びます。


観ている方まで緊張で肩が凝るほど強烈な不当差別が行われますが、

疑似体験ではない本物の差別を生まれてから体験してきた多くの黒人の寿命は、

白人に比べて極端に短いというのが実感できます。(特に心臓疾患系での死亡率が高い)


アメリカを中心に、オーストラリア、南アなど世界各国でおこなわれてきましたが、

最近イギリスで行われた映像を観る機会がありました。



しかーし。

さすが本家大英英国。差別の根ははるかに深かった。

通常、エリオットが参加者の自由を完全支配するところから

この「基本的自由・権利がないということとはどういうことか」の

疑似体験エクササイズが成り立つんですが、

最後までエリオットと対等に張り合おうとする強烈な英国紳士・淑女の参加者たち。


アパルトヘイト政策の南アや、レストラン・トイレ・水飲み場を完全に分けたアメリカと違い

極端な差別政策のなかったイギリスでは、差別の認識自体欠けているようです。


小学校の教師である50歳代くらいの女性は、

自分のクラスは混合人種で自分は差別したことがなく、

「うちの夫だって、仕事で顧客に会うときはきちんと髪を整え、

スーツを着なければ仕事が来なくなる。

あんたのようなドレッドのよれよれの服装では目立っても仕方がない」

と、外見は白人と変わらない自分の娘を、白人住宅街にある学校に

気を遣って送り迎えに行かない黒人男性に言い放つ始末。


このような学ぶ機会の場においてもまだ、彼のような黒人が髪を切りスーツを着ても、

白人とは同じ土俵に立つことのできない現実が見えていないこの女性に、

根本的な根の深さが象徴されたエピソードでした。




このように英国でのエクササイズは不完全燃焼で終わりますが、

参加した60歳過ぎの白人女性の言葉が印象的でした。

「私が育った頃は、周りには白人しかいなかった。

自分の子どもたちはなんの抵抗もなく肌の色の違う子達と仲良くしているのに、

自分にはどうしてもできなかった。

今日こうして逆の立場を体験することで、

初めて相手の立場が理解でき、抵抗感がなくなりました。

参加させていただけたことに、感謝します。」

  




よろしかったら、どれでもぽちっとおねがいします。
にほんブログ村 健康ブログ ホリスティック医療へ
にほんブログ村 海外生活ブログ 海外永住へ


[PR]
by aquinoaqui | 2010-07-17 23:44 | 文化/異文化